通常プライマーの設計

1. ターゲット塩基配列ファイル/プライマー情報ファイル指定画面

プライマーセット生成を行うためのターゲット塩基配列をファイルから読み込ませます。

ファイル形式は、以下の塩基配列フォーマットに対応しています。

  1. テキスト形式(配列のみ)
  2. FASTA形式
  3. GenBank形式
  4. マルチプルアライメントファイル形式
  5. ターゲット配列保存ファイル形式

[参照...]ボタンを押し、ターゲット塩基配列ファイルをご指定ください。
プライマー設計画面で保存されたターゲット配列保存ファイルを再利用出来ます。
またここでは、使用するパラメータセットを以下のタイプから選択出来ます。

画面

1.自動判定

ターゲット配列のGC含有量に応じてパラメータの初期設定値を変化させます。
GC含有量が45%以下の場合は”ATリッチ”時のパラメータを、60%以上の場合は”GCリッチ”時のパラメータを、それ以外の場合は”通常”時のパラメータを適用します。

2.通常

標準的な設計を行う際のパラメータです。

3.ユーザ指定

[参照...]ボタンを押し、パラメータファイルをご指定ください。
指定されたパラメータファイルの値を初期設定値とします。
プライマー詳細設計画面で保存されたパラメータを再利用出来ます。

ターゲット塩基配列ファイルを選択し、[プライマー設計]ボタンを押すと、簡易設計画面へ、ターゲット塩基配列と同時にパラメータファイルを選択し、[プライマー設計]ボタンを押すと、詳細設計画面に遷移します。

2. プライマー設計画面

プライマー生成を行うための操作の基本的な流れはこのようになります。

  1. [Generate]ボタンを押して、プライマーを生成します。
  2. [Display]ボタンを押して、プライマーの一覧表示を行います。

2-1. 簡易設計画面

以下、画面の各構成部品について

画面

ターゲット配列表示エリア

  • 塩基は基本的に大文字で表記します。
  • マルチプルアライメントデータで欠損部位がある場合は、その部位の前後の塩基が小文字表記になります。
  • コンセンサス情報について‘-’は突然変異、‘.’は欠損を含む突然変異を表します。

メッセージ表示エリア

設計の結果や、エラーメッセージなどを表示します

(1)[Generate] プライマーセットの生成を行います。
生成されたプライマーセットより、簡易用の絞り込みを行うので、最大5件生成されます。
(2)[Display] プライマーの一覧表示画面をWebブラウザの別画面で表示します。
(3)[Detail Settings] 詳細設計画面に遷移します。
(4)Set Mutation 本ソフトウェアでは突然変異部位と指定した領域を避けてプライマー候補を生成します。
塩基配列をマウスで選択し、[Mut/Cons]ボタンをクリックすると、配列の下の[*]表示が[-]に変わります。その[-]の領域が突然変異部分と認識されます。
[Clear]ボタンで初期状態に戻ります。
(5)Fixed Primer あらかじめ任意のプライマー位置を指定し候補を生成します。
塩基配列をマウスで選択し、ボタンをクリックすると、プライマー指定位置が表示されます。
(6)[Save Target] 画面上のターゲット配列や、それに付随する情報を、ファイルとして保存します。
保存されたターゲット配列情報を使用して、再設計を行うことが出来ます。
(7)Design Option

共通プライマー/特異プライマーが設計出来るような条件を自動的にセットします。

  • Default 通常プライマー設計
  • Common 共通プライマー設計
  • Specific 特異プライマー設計

2-2. 詳細設計画面

以下、画面の各構成部品について

画面

ターゲット配列表示エリア

  • 塩基は基本的に大文字で表記します。
  • マルチプルアライメントデータで欠損部位がある場合は、その部位の前後の塩基が小文字表記になります。
  • コンセンサス情報について‘-’は突然変異、‘.’は欠損を含む突然変異を表します。

メッセージ表示エリア

設計の結果や、エラーメッセージなどを表示します。

(1)Select Range ターゲットレンジ指定の取り扱い(ターゲットレンジについて)。
Ignore Range ターゲットレンジ指定を無効にします。
Within F2-B2 ターゲットレンジがF2-B2間(F2、B2自身を含む)の範囲に含まれます。
Between F1c-B1c ターゲットレンジがF1c-B1c間(F1c、B1c自身を含まない)の範囲に含まれます。
Targeting Range 開始位置、終了位置を指定します。
(2)[Generate] プライマーセットの生成を行います。
(3)[Display] プライマーの一覧表示画面をWebブラウザの別画面で表示します。
(4)Page 別画面に表示するプライマー一覧のページを指定します。
(5)Sorting Rule プライマーセットの出力順序を指定します。
Dimer ダイマー安定性、ダイマー形成能が低い順。
F2 5'position プライマー位置、F2の5'末端の位置がターゲットの5'末端に近い順。
F2-B2 range 増幅領域長、F2-B2間の領域(プライマー自身を含む)が短い順。
Mutation(S)[ascending order] 突然変異部位を含むプライマーが少ない順。
Mutation(S)[descending order] 突然変異部位を含むプライマーが多い順。
5'/3' edge stability 末端安定性の低い順。
Random 順不同。
None 生成順。
Easy 簡易設計時と同じ方法で生成したプライマーを表示します。(表示件数の制限はなし)
sorting rule [None]で生成された1サイクル目のPrimerSetを、10baseごとにF2 5'の位置でグルーピングを行い、そのグループメンバー数が多い順のグループの代表PrimerSetを表示するルールです。(プ ライマーセットの生成数とプライマー一覧画面で表示される件数は一致しません。)
(6)[Basic Designing] 簡易設計画面に遷移します。
(7)Set Mutation 本ソフトウェアでは突然変異部位と指定した領域を避けてプライマー候補を生成します。
塩基配列をマウスで選択し、[Mut/Cons]ボタンをクリックすると、配列の下の[*]表示が[-]に変わります。その[-]の領域が突然変異部分と認識されます。
[Clear]ボタンで初期状態に戻ります。
(8)Fixed Primer あらかじめ任意のプライマー位置を指定し候補を生成します。
塩基配列をマウスで選択し、ボタンをクリックすると、プライマー指定位置が表示されます。
(9)[Save Target] 画面上のターゲット配列や、それに付随する情報を、ファイルとして保存します。
保存されたターゲット配列情報を使用して、再設計を行うことが出来ます。
(10)Design Option

共通プライマー/特異プライマーが設計出来るような条件を自動的にセットします。

Default
通常プライマー設計。
指定すると、設定は全てクリアされ、使用不可になっているチェックボックスは使用可能になります。

Common
共通プライマー設計。
指定すると、Mutation/Consensusの許容の設定が自動的に行われます。F1c inner、B1c inner以下のチェックボックスにチェックが入りますが、利用者によってそのチェックボックスの状態を変更するこ とが可能です。

Specific
特異プライマー設計。
指定すると、Mutation/Consensusの許容の設定が自動的に行われます。全てのチェックボックスにチェックが入り、チェックボックスは使用不可となります。実際にGenerateを行い、プライマー一覧画面 で結果を表示すると、F1c 5'term、B1c 5'term、F2 3'term、B2 3'termに変異が含まれているプライマーセットのみが表示されます。

(11)Parameter Condition

パラメータセットを切り替えます。

Normal
通常用のパラメータセット。

AT rich
ATリッチ用のパラメータセット。

GC rich
GCリッチ用のパラメータセット。

Custom
ユーザ指定のパラメータセット。
この項目は、ターゲット塩基配列ファイル指定画面でパラメータファイルを指定した場合にのみ現れます。

(12)[Save Parameter] 画面上のパラメータセットを、ファイルとして保存します。
保存されたパラメータセットを使用して、条件再設定を行うことが出来ます。
(13)[Reset Parameter] パラメータを初期値に戻します。
(14)Length プライマーの長さの最短、最長。
(15)Tm プライマーのTm値の最低、最高。
(16)GC rate(%) GC含量の許容範囲。
(17)dG threshold[Kcal/mol]

dG閾値

5'stability
5'末端安定性(5'末端の安定性(dG)がこの値以下のプライマーを候補とします。)。

3'stability
3'末端安定性(5'末端の安定性(dG)がこの値以下のプライマーを候補とします。)。

Dimer check
ダイマー形成能(各プライマー間の安定性(dG)がこの値以上のプライマーを候補とします。)。

(18)Distances

プライマー間距離の最短、最長(位置関係について)。

(F2-B2)
F2-B2間距離(プライマー自身を含む)、増幅領域長。

Loop(F1c-F2)
F1c-F2間距離(F2のみ含む)、ループ長、B1c-B2間にも適用されます。

F2-F3
F2-F3間距離(プライマー自身を含まない)、B2-B3間にも適用されます。

F1c-B1c
F1c-B1c間距離(プライマー自身を含まない)。

(19)Limitations

プライマーセットを生成する際の組み合わせ数の上限。

F1c/B1c
FIP(BIP)を生成する際に、一つのF2(B2)に組み合わせるF1c(B1c)の数。 

F2/B2
FIP(BIP)を生成する際に、一つのF1c(B1c)に組み合わせるF2(B2)の数。 

F3/B3
一組のFIP/BIPのセットに対して選択されるF3/B3(Outer Primer)の数。 

Sets
最終的に出力するプライマーセットの数。(最大1000まで指定可能)

(20)Mutation/Consensus 通常は突然変異部位がプライマー位置にかからないようにプライマー候補を生成するが、このチェックを入れると、突然変異部位がプライマー候補の5’端もしくは3’端にある場合 、許容します。

使用上の注意

本システムでプライマーを設計出来るターゲット配列の配列長は2000塩基までです。
2000塩基を超えるターゲット配列が指定された場合、下図のように、"Target sequence length is too long! Please input the sequence less than 2000bp."とエラーメッセージが表示され、OKボタンを押下すると、前の画面に遷移します。

画面

3. プライマー一覧表示画面

生成したプライマーを100セット毎に一覧表示を行います。

各行が一つ一つのプライマーセットを意味し、各プライマー断片がターゲット上でどの位置に存在しているかをターゲット塩基配列と比較しながら確認できるようになっています。

[Confirm]ボタンを押すと、チェックボックスにチェックを入れたプライマーセットの詳細確認画面がWebブラウザの別画面で表示されます。
[Save List]ボタンを押すと、現在表示中のプライマー一覧がExcel形式ファイルとして保存されます。

画面

4. 選択プライマー確認画面

一覧表示画面で選択されたプライマーの詳細表示を行います。

各プライマーセットについて以下の断片情報を表示しています。

  • F3
  • F2
  • F1c
  • B1c
  • B2
  • B3
  • FIP
  • BIP

各プライマー断片につき以下の情報を表示しています。

  • プライマー断片名称
  • プライマー断片5'末端のターゲット塩基配列上での位置
  • プライマー断片3'末端のターゲット塩基配列上での位置
  • プライマー断片の長さ
  • プライマー断片のTm値
  • プライマー断片の5'末端安定性(dG)
  • プライマー断片の3'末端安定性(dG)
  • プライマー断片のGC含有率
  • プライマー断片の塩基配列

[Primer Information]ボタンを押すと、プライマー情報がファイルとして保存されます。保存されたプライマー情報を使用して、ループプライマーの設計を行うことが出来ます。
[Save]ボタンを押すと、画面に表示されているレイアウトのプライマー情報がExcel形式ファイルとして保存されます。

画面

[Primer Information]ボタンを押すと、プライマー情報がファイルとして保存されます。保存されたプライマー情報を使用して、ループプライマーの設計を行うことが出来ます。
[Save]ボタンを押すと、画面に表示されているレイアウトのプライマー情報がExcel形式ファイルとして保存されます。

ご利用について

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