その他

Tm値計算方法

各プライマー断片のTm値は、下記の式1により計算します。式1における ΔH, ΔSといった各種エネルギー値はnearest-neighbor法(1)により計算します。

式1) Tm = ΔH ×1000/(ΔS + R ln(C/4)) - 273.15 + 16.6 log[Na+]

(各変数)
R:気体定数 = 1.987 cal/(mol-deg)
ΔH:enthalpy (kcal/mol)
ΔS:entropy (eu)
C:oligonucleotide濃度(M)
[Na+]:ナトリウムイオン濃度(M)

※C/4は対象塩基配列がNon-self-complementaryの時使用します。
self-complementaryの時はCに置換します。

※Mg濃度はNa濃度に換算します。
[Na+]Mg = 4 [Mg2+]raw(1/2)
[Na+]adjusted = [Na+]raw + [Na+]Mg

末端安定性計算方法

本項では末端安定性(3' or 5')は下記の式2により計算します。
Nearest neighbor法により、末端(3' or 5')の6塩基につきΔG(free energy)を計算し、安定性を見ます。
安定性の基準としてΔG≦-5kcal/molのとき安定とします。また、この基準値は変更可能とします。
※ΔG計算に用いるパラメータは論文(2)の値を参照してください。
また、ΔG計算の際にmismatch(塩基対が相補的でない状態。
例 A対G、C対A)が生じた時に用いる値は、論文(3、4、5)を参照してください。

式2) ΔG(total) = ΣΔG(i) + ΔG(Init.w/term.G-C) + ΔG(Init.w/term.A-T) + ΔG(sym)

※前提条件:
塩基配列を2塩基ずつに分割します。対象塩基配列(塩基数N)のn番目(1≦n≦N)の塩基をn(i)、得られる配列をseq(i)とします。つまりseq(i) = n(i) + n(i+1);(ただし1≦i≦N-1)となります。また、seq(i)と対をなす塩基配列をrev_seq(i)とし、それらが対になった時のfree energyをΔG(i)とします。(必ずしもrev_seq(i)はseq(i)と相補的ではありません)

例)GAACCTG → GA, AA, AC, CC, CT, TG

Sequence seq(1) seq(2) seq(3) seq(4) seq(5) seq(6)
GAACCTG GA AA AC CC CT TG

各変数

ΔG(total):自由エネルギーの合計値
ΔG(i):seq(i)の自由エネルギー
ΔG(Init.w/term.G-C):末端(5' or 3')がG or Cのときのinitiation parameter
ΔG(Init.w/term.A-T):末端(5' or 3')がA or Tのときのinitiation parameter
ΔG(sym):symmetry correction。
塩基配列がself-complementaryの時の補正値。
※initiation parameterは塩基配列の両末端に適用する。
例1) 5' - AGGCTT - 3'
ΔG(total) = ΣΔG(i) + 2ΔG(Init.w/term.A-T)
例2) 5' - AGGCTG - 3'
ΔG(total) = ΣΔG(i) + ΔG(Init.w/term.A-T) + ΔG(Init.w/term.G-C)

参考文献

(1)John SantaLucia,Jr. et.al (1996) Biochemistry 35,3555-3562
(2)John SantaLucia,Jr. (1998) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95,1460-1465
(3)Hatim T.Allawi and John SantaLucia,Jr. (1998) Biochemistry 37,2170-2179
(4)Hatim T.Allawi and John SantaLucia,Jr. (1998) Biochemistry 37,9435-9444
(5)Nicolas Peyret,P. Ananda Seneviratne,Hatim T.Allawi et.al. (1998) Biochemistry 38

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ループプライマーは、LAMP法(迅速法)においてLAMP標準法のプライマー(FIP,BIP,F3,B3)に追加して使用されます。
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本ソフトウェアでは以上の情報をプライマー情報ファイルの形式で入力します。

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(操作手引書の選択プライマー 表示画面を参照してください。)

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